あらかき

躁鬱の即席遺書

太宰

 Eric claptonのライブ、女児服カフェ、と並び僕は東京遠征で絶対に行きたいと思っていた場所に行った。三鷹市にある禅林寺。そこの墓地に私の憧れの人が眠っている。太宰治である。多大な影響を受けた。僕の書く小説は読み返せば太宰治のような文章だし、自分のことを太宰治の生まれ変わりと思い込む時期もあった。昨年度の修学旅行でも、同じ班の連中に無理を言って手を合わせに訪れたことがある。今回は一人だけだったので遠慮なく訪れた。

 

 三鷹駅に着いて辺りを見回した。やはり僕はこの街が好きである。自分の故郷以外を始めて好きになった街である。自転車がよく通る街でもあった。僕は自転車が好きで、最近全く乗らなくなったので羨ましくも感じた。陽気な歌を歌いながらペダルを漕ぎたかった。途中、文ストオタクに遭遇した。僕はそのコンテンツにはあまり詳しくないが、それを通して彼の作品に親しみを持ってくれるのは嬉しいことだ。

 

 墓に着いた。僕の他に、老夫婦がいたが、彼の墓に用は無いようで、すぐに帰ってしまった。僕は太宰の墓と向き合い手を合わせた。目を開き、墓を眺めていた。桜が美しく散っていて、微笑ましくなった。綺麗だなと見惚れていた。近くに森鴎外の墓もあったので、そこでも手を合わせた。手を合わし終え、また太宰の墓を眺めていた。桜の花弁がひとつ、ゆっくり散って行った。綺麗だね。修ちゃん。