あらかき

躁鬱の即席遺書

Ginger Baker

2019年10月6日、僕の愛してやまないロックバンド、Cream のジンジャーベイカー氏が亡くなった。80歳であった。僕の記憶が正しければ、大好きなミュージシャンの死に対面してショックを受けたのはこれが初めてであった。プリンスやアランホールズワースもショックを受けたが、その当時は好んで聴いてはいなかった。ジンジャーベイカーが初めてであった。

亡くなる直前、危篤の情報を得た。あぁ、もうジンジャーもダメかもしれない。なんとなくそう思った。あの歳で、未だにコカインを服用している、といった話題が挙がっていた彼であったので、そう思った。そしてしばらくして、彼はこの世を去った。

僕がジンジャーベイカーを知ったきっかけは、エリッククラプトンにある。熱心なThe Beatlesオタクであった僕をギターの世界に導いた人物である。彼は、僕の初めてのギターヒーローの1人だ。そんな彼のキャリアを追体験すべく、僕は彼が在籍していたバンドを聴くことにした。確か中学2年の終わりと記憶している。Creamというロックバンドを初めて聴いたのは。White roomやCross road、sunshine of your loveといった楽曲を聴いたときは、熱狂した。そして高校に上がる頃には、僕のフェイバリットのひとつになっていた。当時既にジャックブルースは亡くなっていて、2人は長生きして欲しいなと思っていた。偶にジンジャーベイカーが体調不良で公演をキャンセルした、といったようなニュースや、エリッククラプトンの腕や耳の調子が悪化しているといった話題も耳にしていたから、尚更そう思っていた。

僕はジンジャーベイカーのドラムソロが好きだ。何故なら、上手くて、聴いてて愉快になるからである。Led Zeppelinを変に批判したのは如何なものかとは思ったが、それでも彼のドラムプレイは素晴らしいものだった。そんな彼が亡くなった、と聞いたときは、あまり実感が湧かなかった。しかし、Creamは聴かなくなっていた。おそらく彼が亡くなったということを受け入れたくなかったからだと思う。そして今に至り、ふとCreamが聴きたくなった。音源を聴くと、あぁ、耳に馴染んだ素晴らしいアンサンブルが聴こえる。そして彼のドラムソロ、やはり素晴らしいものだった。中学生や高校1年生の頃に戻れる。それはとても心地の良いものであった。そして最近、エリッククラプトンをはじめとするジンジャーベイカートリビュートと称したライブがあったらしく、Creamの楽曲を演奏して、彼のこれまでのキャリアや演奏を称えた。


https://youtu.be/3hrN3fp3mSg

涙が落ちそうになった。彼の名は永遠に語り継がれるべきである。sunshine of your love