あらかき

躁鬱の即席遺書

職場

 15歳の頃と比べて、明らかに変化したことは、僕が働き始めたことだ。高校一年生の頃は暇だった。Fランに通ってるからなのかもしれないが、とりあえず高校一年生は暇だった。

 

 家に帰ってもおやつを食べながらつまらないテレビ番組を見るか、昼寝して一日を潰すかのどちらかの生活を毎日送っていた。それではつまらなくなるだろうと思ったしお金も足りず、欲しいものも買えないだろうと思い始めた。実際楽しいわけもなく欲しいものも当然買えなかった。

 とはいえ、僕は働くことに対して、とても恐怖を覚えていた。それは学生諸君も分かるだろうし大人の皆様もそれは経験してきたと思う。アルバイトは重労働低賃金、そんな有る事無い事を僕は完全に信じきっていた。

 いや、実際そうなんだけど。しかしそれには例外もあるけど、けどやっぱり低賃金に変わりはないので例外はないです。ごめんなさい。とりあえず、僕はそのアルバイトに挑戦しようと思った。こんな理不尽な労働に手を打ったのは金に飢えていたからである。欲は強い。強ければ強いほど良い。自宅歩いて10分程度先にある某スーパーに僕は働くことにした。理由がいくつかある。

 一つ。労働内容が容易い。

 二つ。賃金が僕の住んでいる沖縄県にしてはそれなりに良い値段であった。

 三つ。友達のコネで楽に採用される。

 この上記を理由に僕はそこで働くことにした。

 

 さて、今もその上記のスーパーで働いてる訳だが、これが僕の想像してた内容を軽く超えるような、まるでネタを自ら進んで提供してくれるかのような職場だった。のでそれを今から書き込もうと思う。お待たせしました。長い前置きで申し訳ない。

 

 僕は元クラスメイトの男子、まあここでは仮に太と呼ぶ。太ってるから。そいつと、一緒に面接に行くことになった。が、その当日、そこで働いてるクラスメイト、ここでは髭と呼びます。剃らないから。髭の彼がこんな事を言ってきた。 「もうお前ら受かってるぞ」なんて耳にするとは思ってもいなかったので気怠く笑うことしか出来なかった。受かった面接に行くなんて馬鹿な事あるか、しかし僕らは顔をあわせるために態々そのスーパーに出かけた。

 

 案の定、面接は通常通り始まった。無論、僕は至って普通に緊張してるように見えるよう頑張った。あんな話聞かなければ緊張していた。受かってると分かると、面接官の質問や表情が可笑しくて仕方がなかった。笑いを堪えるのに必死になった。案の定、僕らは翌週から働くことになった。大層なことだ。大丈夫かよこんなところって思ったのが正直だけど、気にするな。

 

 バイトを始めて嘘だと思っていたことが本当だとわかったこともある。

 客に良いようにされると嬉しいし、やりがいを感じることができるのは遅くなかった。これを機に接客業の人に優しくできるようになった。これくらい。

 あとは大体想像通りの展開だった。

僕は普段そこまでお金を使って遊ぶ習慣がないので給料日前に泣く経験は今でも一度もなかった。面倒くさい厄介な客も珍しくはないし、何よりも楽な作業とはいえ、面倒くさいものは面倒くさいに限る。労働って大変。が、これで社会は厳しいとほざく大人を何人か見てしまった。ひどくがっかりした。軽蔑した。こういう人間に限って趣味もない、ユーモアもない、居場所が職場だけのつまらない男なのだ。僕が一番軽蔑してるタチなのだ。話が逸れてしまった。なんの話だっけ。いいや、次。

 

 その職場、面接もおかしかったら店員もおかしいし、組合員もおかしい。

 年末、沖縄では豚料理をふんだんに使う。これでもかってくらいね。僕は測りとか言う説明するのが面倒な仕事を任された。その仕事、暇なのだ。数時間突っ立ってるだけ。無論声をかけたり、偶に作業するが、暇なのだ。なんとも言えない虚無に襲われた。いつ終わるのか時計ばかり気にしてた。こんなことで時計を見るのも嫌になりそうだ。たしかに社会は厳しいな。

 その仕事が終わって裏に帰ると、疲れすぎて壊れた上司がいた。僕を見ると突然「僕!アンパンマン!」と叫んできた。無視した。すると、「そっか、あらかきはアンパンマン知らないか〜」と言ってきた。社会は厳しいな。僕は素直になんて返せばいいか分からなかったと伝えた。すると彼は「そんなときは『ハヒフヘホ〜』って言えよ」とキツい方言で述べた。

 僕は、適当に笑ってやり通すしかできなかった。今冷静になって考えても、やっぱりおかしい。アンパンマンが颯爽と出てきて名乗った途端にばいきんまんが出てくるのは、とてもつまらない詰め込みすぎた演出だと思う。僕は違う。アンパンマンを名乗らせる前に丼の彼を殺す。それくらいはする。

 

さて、ここまでダラダラ職場の文句を並べて書いてみたが、僕はこの職場は好きな方だ。楽だし。それなりにお金貰ってるので。他にも色々な文句を書き並べようと思ったけど、流石に飽きてしまった。もう今回はこれくらいで終わろうと思う。眠いし。