あらかき

躁鬱の即席遺書

なつやすみ

形式としては、夏休みに入った。梅雨は死んでお日様が元気に背伸びしている。入道雲を前に構えながら彼はやってきた。1年ぶりである。此の1年で僕は変わった。夏が好きになった。昨年までは夏が大っ嫌いだった。暑いから。これだけで夏の良さを全否定していた。しかし、此の夏の魅力に気付いた。景色が良い。果物が美味い。エアコンが気持ちいい。なんて素晴らしいんだろう。夏にこんなに魅力があるんだね。でもやっぱり僕は夏嫌だな。暑いもん。

 

僕はさっき形式としてはと言った。学校に通っている。未だに。毎日。なんでやろな、可笑しいな。僕の哀れな運命を笑い給え。受験生に夏休みはないと言うのは大袈裟でなかった。いやそこは大袈裟であってくれよ。毎日毎日自己アピール文と志願理由書を書いては提出、添削を繰り返している。生きている心地がしない。まあ躁の俺は死なない。当然だ。君も見習ったらどうだろう。断る?つれないな。夏休みがないのは100歩譲っていいとして、ないはずの休みの宿題があるのは遺憾である。何故なら、受験生に夏休みはないからである。僕の経験によれば学年が1つ上がるたびに宿題の量が多くなる。つまり今年の宿題の量は過去最多である。絶対私を殺しにかかってるなこりゃ。検討するよ、学校。止めろだって?ハハ、止めるなよ、少年。

 

しかしせっかくの夏休み、やはり遊びたい訳である。予定は立ててはいないが遊びたい。ツイッターのフォロワーとも遊びたいし、私の数少ない友達とも遊びたい。理由は遊びたいから。これ以上聞くなよ。虫酸が走る。暑いんだよこっちは。静かにしてな。それともう1つ、私は旅に出たい。僕の全く知らない景色を眺めたい。ほら、長崎は坂が多いから、僕は長崎に行きたいな。でも東京にも行きたい。ふと、目を閉じると、思い出す。寂しげな匂い。平たい顔。背の高いビル群と鉄の毛細血管。僕は電車の、あの感じ。そう、電車のない琉球人にはとても刺激的なあの施設。また経験したいと強く思う。又、僕は小説を書くことになっている。短編小説。原稿用紙にして凡そ20枚、といったところだ。去年は8、9枚が限界だったが、今年は謎の自信と余裕に満ちている。大丈夫さ、きっとね。内容は、僕の住んでいる街に古くから伝わる昔話のパロディである。完成したら此のブログに載せようと思う。許してくれるよね。

 

今年の夏は忙しく、はやい。夏休み初日は早速仕事で忙しかった。或る集会に参加して、代表挨拶をする羽目になった。それは良い。その後がいけなかった。翌日新聞に載るなんて偉いことになってしまった。僕は高揚して母に報告した。母もすっかり興奮してしまい、道に迷った。帰りが遅くなってしまった。翌日、僕は記事を眺めたが載ってはいなかった。はて、可笑しいなと思った。記事は更にその翌日の記事の端に載っていた。僕ははじめ、大変ガッカリした。次に某新聞社を嫌悪した。最後は、忘れた。もとより、こんなつまらない話、ツイッターにでもすれば良い。辞めだ辞め。