あらかき

躁鬱の即席遺書

パーソナリティー擬

 僕は放送室に監禁された。化粧の濃い女教師の所為で。僕はスピッツのCDを放送して欲しいとリクエストした。すると何故か、僕がスピッツのうんちくを喋らなければならなくなってしまった。おかしな話だ。無論台本も用意されず、おぼつかないアドリブで無理矢理司会を務めた。しかし、思った以上に好評らしく、僕の鼻は高くなった。得意である。僕は今後も自由に音楽を放送して、うんちくを披露できる環境を整えてしまった。我ながら嬉しい誤算であった。唯、後輩の部員が、とてもオタク気質な男で、そいつの仕草や口調が気に入らなかったのは内緒である。

 

 無論今日もお邪魔した。まだ僕は東京遠征の余韻に浸っていたので、皆にもeric claptonの良さを共有したくなった。愛しのレイラを放送した。フレディキングのあのナンバーから流した。適当な思い出話に花を咲かせ、また曲をかけなおす。愉快であった。教室に戻り、紅茶を頂くことにした。温かくて美味しかった。勿論、生徒からの評判は僕の噺と、それから音楽に少し敏感な者からは選曲を評価された。が、後者は圧倒的に少数であった。当然ではあるが、もうちょっと黄色い歓声を得たかった。しかし、まだまだ知識も足りないので勉強しなければならないと思った。

 

 一方で、教員からは、とても好評であった。究極の媚びの売り方を習得してしまったものだと、高笑いを抑えるのに苦労した。僕はパーソナリティーだ、ラジオDJだ、などと言った狂言を吐いて回った。どうやら、スマートフォンを用いて曲をかけることもできるらしいので、選曲に困ることは無いように思えた。

 

 ネタが思いつかないのでこれで終わる。